移住者の声

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地方から新しいものを生みだす楽しさ

スターブリッジいわて株式会社
代表取締役 茂庭裕之さん

Profile

●1984年盛岡市生まれ。
●仙台の大学卒業後東京のITコンサルティング会社に勤務。平成24年起業と同時に帰郷。
●東京で知り合った妻と2人家族。

2018年取材(内容は取材当時の情報)

将来帰郷すべくスキルを身につける

盛岡に生まれた茂庭さんが花巻で暮らしたのは、小学校5年から高校卒業までの8年間。花巻の実家を出て仙台の大学へ進学するときは、まだ具体的な将来の展望は描いていなかったが、就職活動の時に将来花巻へ帰ろうと思ったのだという。 

就職活動にあたり「どう生きていくか=どう働くか」を考えた結果、30歳までに帰郷して地元に貢献したいと考え、それまでの間将来花巻で仕事をする時に最も地元で生かせるスキルを得るべく東京に行くことを決断したとのこと。

これからの時代で絶対に必要だと思われるITスキルと、そして問題解決能力を身に付ける必要があると考え、両方を習得できるITコンサルティングの仕事に就くことを選んだという。

震災をきっかけに見えてきた道

就職して4年目に東京で東日本大震災を経験した。この先岩手では、地元に根付いた産業を発展させて経済を回し、雇用を生んでいくことが今まで以上に必要になる。自分もそれに貢献することはできないかと考え、震災翌年に会社を退職して帰郷した。

震災直後、東京にいながらも故郷に何かしら支援できないかと考えて岩手のものをインターネットで探してみたが、地元では有名な商品でも、その魅力や作り手のこだわりがうまく発信されていない、購入しづらいと感じた。そこで「ネットを活用して多くの人に岩手の良品の魅力を発信し、届けやすい仕組みを創ろう」と考え、花巻で同社を立ち上げたのだった。

現在は当初の計画通り地元企業へのITコンサルティングの仕事と、ネットショップや花巻の実店舗・首都圏への卸を含めた岩手の良品販売、2つの事業を並行して行っている。

2つの事業は根が繋がっている

ITコンサルティングの事業は、地元企業が抱えるコスト削減や売上増進等の経営課題に対してITを用いて解決策を提供すること。販売の事業とは一見全く違う分野の事業に思えるが、茂庭さんの中では根の部分が繋がっているとのこと。

会社のビジョンとして「岩手の産業の課題をITとリアルの両面からビジネスで解決して雇用を生む」を掲げており、「ITコンサルティング」は地元企業が抱える課題に対して直接的に解決策を提示し、「販売」においては生産者が抱える課題(発信・流通・商品開発・パッケージング等)に対して、販売する当事者として解決することに挑戦している。

「その2つの事業で地元に貢献して、多くの雇用を生み出したいと思っています。それが今の一番の目標です」

花巻で働くことが どんどん楽しくなっている

高校時代など、自分が「消費する側」であった頃には感じることが少なかった花巻の面白さを、事業の創り手となった今実感しているという茂庭さん。

「いま花巻は若い人が集まり、いい雰囲気になってきています」

花巻に人が集まり、若いプレーヤーたちが繋がり始めたことで、様々な機会が増え、可能性も広がってきている。

「待っていても何も始まらない。花巻に、新しいものを生み出そうと挑戦する人たち、広い意味でのクリエーターがもっともっと集まって欲しいと思います」と言う。
「行政もチャレンジする若い人を手放しで応援してくれているので、どんどん花巻に来て欲しいですね。私もそういう人と仕事がしたいです」


移住・定住ガイドブック「花巻ひと図鑑」より