移住者の声

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仕事も子育ても、花巻には支えてくれる人がたくさんいる

フリーグラフィックデザイナー
高橋菜摘さん

Profile

●1977年花巻市生まれ。
●723DESIGN

2018年取材(内容は取材当時の情報)

デザインは人の想いを表現すること

たくさんの企業やお店、個人のクライアントに頼られる売れっ子デザイナーフリーランスの高橋さん。
週末は子どもとの時間を大切にしながら、昼間は打ち合わせに飛び回り、子供達が寝た後はPCに向かって作業しながら精力的な日々を送っている。とはいえお金のためにがむしゃらになっているわけではない。
町のために、人々のためになる仕事なら収入度外視で引き受けることも。
「デザインをする上で大切にしたいのは、人の想いを想いで繋ぐこと。カタチにさせてもらったものが伝えたい人にちゃんと届いて欲しいんです。だからSNSでのやりとりでは伝わらないちょっとした表情や、ニュアンスも見逃さないように、クライアントさんには必ずお会いしてお話を伺うようにしています。特に雑談から内面から溢れてくるものをキャッチして、デザインで表現できたらなと心がけています。」

そんな高橋さんだからこそ次から次に人がつながり、仕事も舞い込んでくる。

子どものためにフリーの道へ

そんな高橋さんだが、実はデザインを専門的に学んできたり、仕事として経験してきたわけではない。
盛岡の高校卒業後は短大で保育士の資格を取り、結婚して西和賀町に住んでからは婚家の仕事を手伝っていた。
しかしそんな中デザインとの縁ができたという。西和賀町の仲間たちと一緒に、まちづくりの一環としてチラシやポスター作成に携わったとのこと。

離婚後花巻に移住してきてからも、イベント主催者をデザインで手伝う仕事を通じて知識やスキルを磨いてきた。しかし子どもを抱えながら仕事も忙しく、なかなか子どもたちとの時間を持てない生活だったことに疑問を持ち、まったく見込みを持たないまま辞めて独立したのは2016年春。花巻に来て2年が経っていた。

ちょうど閉店ニュースが世間を騒がせていた花巻のマルカン百貨店の食堂存続のため、寄付金付きの写真集を考えついて作ったのを手始めに、ひとつひとつ手探りでフリーデザイナーの道を切り開いてきた。

人とのつながりが支えになる

西和賀でのまちづくりや、マルカン存続応援に携わってきた経験から、まちづくり、町の活性化につながる仕事が今も多く、また自分からも積極的に関与する。
「離婚した後花巻に来たのも、子どもの頃近所の人たちに可愛がってもらったりして、人の温かさを覚えていたからです。西和賀にいた頃も、両親がいたこともあって花巻にはよく来ていました。子どもの教育上も、少しは都会っぽいところも経験させたかったし(笑)だから花巻のまちにも役に立ちたいのです」

そんな高橋さんだから、独立してからの人脈もあっという間に広がった。それと比例するように仕事の幅や量も。
盛岡にはたくさんいるデザイナーやカメラマンなどのクリエーターも花巻周辺にはあまりいない。数少ないからこそクリエーターたちとも容易につながることができる。
まちづくりのキーマンやクリエーターたちとのつながりが自分の支えにもなる。

シングルママのコミュニティを

「シングル世帯の人たちって普通にたくさんいますよね。そんな人たちにも是非花巻に来て欲しい。地域での子育てもここならできます。市の支援もとても助かっているし、支えてくれる人たちもたくさんいます。ひとり親世帯だけど、ひとりだと思ったことないです。そして同じようなシングル同士のコミュニティも作れたらなって思います。この先必要になってくることだと思うから」

支えてもらい、自らもたくさんの人を支えながら、高橋さんは今日も笑顔で走り続ける。


移住・定住ガイドブック「花巻ひと図鑑」より